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〇箱根の概要

 箱根には、神山付近のブナ・ヒメシャラ・ヤマボウシ等の自然林、山腹を彩る春の芽吹き、マメザクラ、初夏のヤマボウシ、秋の紅葉など、四季を通じて豊かな自然が息づいています。
 とりわけ野鳥観察に最適の環境で、春から秋にかけてはクロツグミ・ウグイス・アカゲラ、キセキレイ・シジュウカラ、秋から冬にかけてはマガモ・ヒドリガモ・キンクロハジロ・カルガモなどの水鳥が見られます。
 また、火山の影響により複雑な地形を呈しており、急峻な外輪山と火口丘、3千年前の爆発でせきとめられた芦ノ湖やカルデラ火口原の仙石原、そして今も噴気があがる大涌谷、各所に湧出する温泉などが火山の生きた見本とも言われています。

 富士箱根伊豆国立公園は、昭和11年2月1日、富士箱根国立公園として誕生し、その後、昭和30年に現在の公園名に改称、箱根11,166ha、富士60,591ha、伊豆半島22,439ha、伊豆諸島27,499haの4つのエリアに分かれており、合計121,695haとなっています。
 国立公園は、その景観と質により特別地域と普通地域に区分して管理され、特別地域はその重要性に応じてさらに特別保護地区、第1種〜3種に分かれています。特別保護地区はほとんどの行為が厳しく制限されている地域で、箱根では神山、二子山頂付近、金時山頂付近、仙石原湿原等が指定されています。


〇箱根の自然保護運動

 箱根を国立公園にという運動は、大正3年(1914年)に始まり、昭和11年2月に富士箱根国立公園として指定されました。首都圏にもっとも近い国立公園だけに、戦後は激しい開発ラッシュの波にもまれゴルフ場は9つに増え、有料道路、ケーブルカー、ロープウェー、寮、保養所、別荘が次々と建設されていきました。
 美しい箱根が虫食い状態になっていくのを憂慮した箱根の人々は昭和41年に「箱根を守る会」を結成し、自然保護運動が盛り上がりました。昭和50年、環境庁(現在の環境省)、神奈川県、箱根町の三者が話し合い、開発に厳しい基準が適用される様になりました。


〇箱根の自然保護運動

 
芦ノ湖畔には箱根の自然をこよなく愛したイギリス人貿易商シリル・モンタギュー・バーニーによる碑が立てられています。碑文は300年前に箱根を越えたドイツ人の博物学者エンゲルベルト・ケンペルの著「日本誌」の序文、「日本人は謙虚で勤勉で人情に厚く、その国土は天然の美に恵まれている」とあるのを引用し、「この光栄ある祖国をば、さらに美しく尊くして卿等(貴方がたの意)の子孫に伝えられよ」と刻んであります。
 毎年、4月12日にはケンペル・バーニー祭が行われ、碑文のとおり、美しい箱根を永遠に子孫に伝えていくことの重要性を確認しあっています。

箱根ビジターセンター

〒250-0522
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根164

TEL 0460-84-9981
開館時間:9:00〜17:00
     (最終入館は16:30まで)

箱根ビジターセンターはバリアフリー対応です
・ウォシュレットトイレ完備
・車いす無料貸出
・筆談
・車いす対応の自然観察コース