開催レポート「早春のミズバショウと三日月湖湿原」2025/4/5(土)

ミズバショウやシュンランを皆さんに楽しんでいただきました。三日月湖(河跡湖)湿原に生育しているミズバショウは早めの株が20程、開花し、手のひらサイズの可愛い白い花を咲かせてました。木道では無く許可をいただいた私有地のため足元でミズバショウの花を触ることができました。ミズバショウは100株あるので4月下旬まで楽しめそうです。

  同時に、ヤマアカガエルの鳴き声がしたので、探してみると、湿地の水溜まりに卵塊がたくさん有り、卵の中では孵化直前のオタマジャクシが元気に動いてました。

 雑木林では、皆さんに落ち葉を踏みしめながら10株ほどのシュンラン(写真)を見つけてもらいました。
一方、ナガバノスミレサイシンやジロボウエンゴサクは、またつぼみで、開花していませんでした。4/20の開催日に期待しましょう。ヤマユリがトリカブトも発芽し始めていました。夏も楽しみです。

 

草原や林縁では、たくさんのタチツボスミレやカキドウシ、ヒメオドリコソウ、フキノトウ、ハルトラノオ等が開花し、ヤブカンゾウ(山菜の甘草)がたくさん発芽していました。アマナ(写真)もつぼみを膨らませていました。
 コブシがちょうど見頃であちこちで白い大きな花を咲かせてました。
 マメザクラ(別名フジザクラ)も小さくうつむいている可愛い花が咲き始めました。

 早川の昔の蛇行している航空写真と現在を比べて、氾濫原での三日月湖の成り立ちを実感してもらいました。
 また、かつで渋沢栄一らが作った日本で初の西洋式牧場「耕牧舎」のころの牛馬を放牧している明治時代の写真と現在の景観を見比べてもらいました。現在2次林となっている温泉荘地区(姥子駅)や外輪山の尾根まで、ススキ草原にしていた写真をみてもらい、ススキを生活の糧とした戦前までの自給自足の暮らしには戻れないので、現在、急激に失われつつある半自然草原を保全するにはどうすれば良いのかおしゃべりしてもらいました。


 野鳥は、夏鳥のツバメが渡来し、冬鳥のツグミ(6羽の小群で採餌)北へ渡る途中のようでした。キジ、メジロ、ホオジロ等は見れましたが、アオゲラ、コゲラは鳴き声だけで見ることはできませんでしたが、皆さん早春の自然と仙石原草原の歴史を十分味わっていただけたようで良かったです。

【追加開催日 2025/4/23(水)】早春のミズバショウと三日月湖湿原

自然公園財団箱根支部 学芸員 伊豆川哲也

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