仙石原の自然 草原植生の仕組み、渋沢栄一による耕牧舎
●どんな場所?
箱根仙石原はカルデラ地形の底に位置し、湧水湿地と早川による広大な氾濫草原(茅場)を明治期に渋沢栄一(新1万円札の顔)らが西洋式牧場に活用した草原です。
特に、箱根カントリー倶楽部(ゴルフ場)や天然記念物指定されている湿性植物群落(箱根湿生花園の周辺)は、現在でも自然度の高い半自然草原、湧水湿地原生林、大小の池沼や三日月湖(河跡湖)湿原等が維持されています。
箱根カントリー倶楽部は、会員専用のゴルフ場ですが、特別の許可を頂き、非会員でも参加できる体感・学びのネイチャーツアーを季節毎に開催しています。
リンク【ネイチャーツアーin箱根カントリー倶楽部シリーズ 年間予定】
博物館学芸員 伊豆川哲也 2026年

湧水湿地や草原、原生林が残ってます。手前左の池が水鳥が集まるイタリ池


「箱根カントリー倶楽部」は戦後1954年にオープンした名門ゴルフ場です。
ゴルフ場と言えば、一般的にはリゾート開発による自然破壊のイメージがありました。
しかし箱根カントリー倶楽部は、その逆で、茅場や放牧跡地(ノシバ)を活用したため伐採も土地造成もほぼせずに開設することができました。
その牧場を作ったのは渋沢栄一(新1万円札の顔)です。
さらに、ゴルフ場経営が現在まで続くことで、本来の自然(半自然草原、湿地原生林や蛇行河川)を残すことができました。
その間に残念ながら周囲の茅場の多くは、採草地として利用されなくなり、別荘・ホテル用地、放置高齢2次林、スギ・ヒノキ植林地となってしまいました。
普通のゴルフ場の倍の敷地を有しており、敷地の半分程がゴルフ競技としての芝(ノシバ)です。
また、18ホールの各コース(ノシバ)を取り囲むように、中茎草本(チガヤ)帯やススキ草本帯が維持されています。これはゴルフプレーヤーの眺望を確保するために年1~2回草刈りをしているためです。この刈取りパターンが、戦前まで続いた茅場(茅葺き屋根材や牛馬飼料の採草地)の刈取りパターンだったのです。


このため半自然草原を象徴するバライチゴ、アヤメ、ノハナショウブ、ノカンゾウ、オミナエシ、マツムシソウ、ワレモコウ、トラノオ類等の盆花が咲きます。
さらに広大な敷地は、カルデラ地形(鍋形)の底に位置し、豊富な湧水地帯のため湿地原生林、池沼や湿原があり、蛇行する早川源流や河跡湖もあり、箱根火山の歴史と仙石原のかつての自然を体感できます。
半自然草原を活かした持続可能な産業の好事例であり、これこそ本来目指すべきOECM(人の営みと自然が共存する場)です。
「いきもの共生事業所(ABINC)」認証され、視察研修フィールドにも活用されてます。
OECMとは(リンク先:日本自然保護協会)


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↓【絵解き解説】半自然草原のお花畑の仕組み クリックでpdf



